2015年8月2日日曜日

安倍の安保は不味くて食えないバクダン握り飯

安倍晋三首相が民放テレビ番組で披露した安保関連法案の模型、イラスト付き解説が話題である。ご覧になった方も多かろう。21日のBS日テレ「深層NEWS」で安倍首相は、武力紛争を「民家の火災」、自衛権行使を「消化活動」に例えたイラストを掲げて、米国の母屋が放火(攻撃)されただけでは「日本が消火活動に参加することはない」とした上、日本近海で警戒に当たっているイージス艦を米国の「離れ家」に見立ててその火の粉を含む煙が「日本家」に燃え移る明白な危険がある場合には「消しに行く」、つまりは集団的自衛権を行使できると力説。20日に出演したフジテレビの報道番組では自前の模型をスタジオに持ち込んで同様の旨、90分にわたり熱弁をふるっている。

 子供ニュースのキャスターにでもなったつもりだろうが、何が言いたいのか理解不能。まずもって例えるにしても戦火と火災では次元がまったく異なる。問われているのは戦後日本の安全保障体制を根本から覆す法案の是非だ。国民をバカにするにも程がある。そもそも国民の理解が深まらないのは政府与党が憲法解釈を勝手に捻じ曲げ、複雑に絡み合う十数本の法案を無理やり一緒くたにして国会に提出したからなのだ。マンガチックに単純化すれば分かりやすくなるものではない。むしろ国民は益々もって安保関連法案に対する嫌悪を強くしたはず。

 例えるならば、政府提出の安保関連法案は梅やおかか、明太子、シャケなど具材を一個のおにぎりに無理やり詰め込んだようなもの。作る方は楽かもしれないが、食べさせられる国民はおにぎりだとは分かっていても、喜々として食する気にはならない。

 国会は週明け27日、参院本会議で安保関連法案の趣旨説明と質疑を行い審議入りする見通しだ。

「修正案を作るためには、お互い歩み寄る態度が必要だ。我々も(修正を)考えながら対応していく必要があるだろう」

安倍首相は21日に出演したBS日テレの番組でこうとも述べている。

野党との修正協議に本気で取り組みのであれば、まずは政府案をいったん棚上げにするしかない。安倍首相がいかにイラストや模型を駆使しようとも、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使が可能と言い張るのは、これも例えて言えば、子供の我がまま、なのである。

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