2015年7月2日木曜日

安倍自民党の劣化を象徴する「文化芸術懇話会」

「沖縄の2紙を潰せ」とか、「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせ」だとか、まったく開いた口が塞がらない自民党の議員たちである。
 詳細についてはすでに多くのメディアが報じているとおりだ。安倍晋三首相に近い若手議員でつくる勉強会「文化芸術懇話会」でのこと。直後に国会で追及された安倍首相は「私的な勉強会で自由闊達な議論がある。言論の自由は民主主義の根幹をなすものだ」と述べて我関せず。
ところが国民世論の批判を受けて一転、29日の谷垣禎一幹事長との会談では「沖縄の方の気持ちに反する発言があったことは、極めて遺憾だ」と述べ、勉強会を主宰した自民党の木原稔青年局長を更迭し、問題発言をした大西英男、長尾敬、井上貴博の3衆院議員を厳重注意処分にした。谷垣幹事長の求めに渋々応じたものだが、これにて一件落着とはいくまい。
何より深刻なのは、この発言を聞いた勉強会の参加メンバー約40人が誰一人として異議を申し立てなかったことだ。将来を背負って立つ若手議員が民主主義の根幹ともいえる言論の自由に対してこの程度の認識しか持ち合わせていないのである。
同日の安保関連法案の審議では民主党の長妻昭衆議が安倍首相の名代として勉強会に出席した加藤勝信官房副長官に対して「発言をいさめなかった責任は感じていないのか」と追及。加藤官房長官は「私が出席したのは(勉強会)前半の講演の部分で、マスコミや沖縄に関する話があったとは認識していない」と言い逃れたが、安倍自民党の質の劣化は誰の目にも明らかだ。
期せずして先週末、安倍首相の応援団とも言えるFNNが行った世論調査で安倍内閣の支持率は46・1パーセント(先月より7・6ポイント)に下落。5割を切ったのは14年12月以来である。
安保関連法案については49パーセントが「必要だ」としながらも、今国会での成立については58・9パーセントが「反対」。その上、集団的自衛権の行使容認についても57・7パーセントは「違憲」との判断だ。これをマスコミ報道の責任にしたところで国民の理解が進むわけではなかろう。政権与党には延長国会、よりいっそうの謙虚さが求められるところだ。


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