2015年4月18日土曜日

地方統一選で問われる有権者の自治意識


 統一地方選の前半戦、12日投開票の10道県知事選は自民党が推薦・支援した現職候補の勝利に終わった。41道府県議選でも自民党は24年ぶりに総定数2284の過半数となる1153議席を得て躍進した。

「全体としてみると、安倍政権が進めているアベノミクスの実績への評価、地方創生を含めたアベノミクスへの期待が表れた結果だ」

菅義偉官房長官は13日の記者会見でこう述べた。勝てば官軍、確かにそうとも言える。

しかしながら、得票率を見れば10道県知事選で過去最低だった03年の52%を大きく下回る47%。同じく41道府県知事選も過去最低だった11年の48・15パーセントから45%に落ち込んでいる。

それではたして地方版アベノミクスへの期待が表れた投票結果だと言えるのかどうか。

振り返れば自民、公明両党が大勝した昨年12月の解散総選挙の投票率も過去最低の52%だった。いくら自民党の議席が増えたとしても一議席の価値は投票率が低下した分だけ目減りしている選挙結果である。

今回も同様、議席数ではなく投票率に着目すれば、菅氏の言う「実績への評価」や「期待の表れ」とは言い難い。むしろ行き場を失った反安倍政権票、もっと言えば政治に対する国民有権者の不信、不満が表れた統一地方選の前半戦である。

もちろん支持率低下の責任は野党にもある。とりわけ民主党が岡田克也代表の地元、三重県知事選で独自候補の擁立を見送ったことは野党第一党としての責任を放棄したに等しい。こちらも投票率を見れば明らかだ。

自民、民主両党が激突した大分県知事選の投票率が前回を1・4ポイント上回る57・8%だったのに対し、三重県知事選は50%を割り込んでいる。

「政権を失った2012年衆院選以来、マイナスからの再出発だったので、底打ちの流れは作れた」

 同党の枝野幸男幹事長は前半戦をこう総括したが、むしろ底抜け感漂う三重県知事選の不戦敗である。

来夏の参院選を占う上でも注目の統一地方選はいよいよ後半戦に突入、26日に投開票される。

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