2015年5月15日金曜日

安倍首相の安保法制は詭弁詐術

連休明けの国会はいよいよ後半戦に突入する。最大の焦点が安保法制であることは言うまでもない。
 政府与党は武力攻撃事態法改正案、国際平和支援法案、PKO協力法改正案、重要影響事態安全確保法案とこれらの成立に伴う自衛隊法の改正など10数本を一括審議する方針だ。
安倍晋三首相は先の訪米で今国会での成立を対米公約に掲げており、6月24日が会期末となる国会会期は8月中旬まで大幅延長となる予定だ。
ただ、国民世論の反対を押し切っての強引な採決に持ち込むようなら自ら政局動乱の引き金を引くことにもなりかねない。
「与党として、できるだけ早く法案が成立するよう努力するのは当然だが、野党側からもいろんな意見が出る。国会の中で国民が納得されるような議論を展開していくことが大事だろう」
自民党の二階俊博総務会長は5日、訪問先のシンガポールで記者団を前にこう述べている。政府与党には丁寧な国会運営が求められよう。
個人的には複雑に入り組んだ10数本の安保法制の一括審議は乱暴であり、それでいて国民に納得のいく議論ができるとは思えない。
少なくとも日本の領土と周辺海域での自国防衛的と国連のPKOや多国籍軍の後方支援などの「積極平和外交」の一環としての自衛隊の活動、役割を分けて議論した方がすっきりする。
とりわけ安倍首相の「積極平和外交」については、自衛隊の活動を地球規模に拡大する企みであり国民の理解を得るのは容易ではない。
与野党幹部が出演した3日のテレビ番組では自民党の高村正彦副総裁がホルムズ海峡での機雷掃海活動を「国民の権利が根底から覆される明白な危険」など自衛隊の武力行使を容認する新3要件に当てはまると主張。具体的には「海峡が封鎖され、原油価格が3~5割程度上がるくらいならダメ。国内で灯油がなくなり、寒冷地で凍死者が続出するようなケースだ」と説明していたが、妄想が過ぎよう。
 なぜ正直に「アメリカに肩代わりを頼まれたから致し方なく」と言えないのか。政治の詭弁、詐術は議論を混乱させる。国民の不信を買うだけだ。

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