2013年10月19日土曜日

臨時国会の論戦で注目は賃上げの確約と安倍首相の進退問題

臨時国会、16日に行われた安倍晋三首相の所信表明演説に対する海江田万里民主党代表の代表質問からいくつか注目点をピックアップしてみた。
 まずは福島第一原発の汚染水問題から、安倍首相は「近海の放射性物質の影響は、発電所の港湾内の0・3平方キロメートル内にブロックされている。全体として状況はコントロールされている」と答弁。9月の国際オリンピック総会で「放射能汚染水は発電所の港湾内の0・3平方キロメートル内に完全にブロックされている」としていたが、その後も漏水トラブルは収まらずに認識を改めたのか。
「食品や水への影響は基準値を大幅に下回っている。これが事実だ」
先に安倍首相は所信表明演説でこう述べていたが、ブロックされているのが「汚染水」ではなく「近海への放射性物質の影響」であり、しかも「完全」にはコントロールされていないのであれば、これまでの発言をどう取り繕ってもウソはウソ。潔く謝罪すべきだ。その上で今国会、与野党が論戦を通じ、除染、汚染水処理で知恵を出し合い、オールジャパンの協力体制を築けるかどうか。安倍首相の指導力が問われるところだ。
 もう一つ、取り上げるならばやはり消費税引き上げと5兆円経済対策であろうか。
 海江田代表は「安倍内閣の改革は社会保障を置き去りにし、消費増税と法人税減税の一体改革に変質しつつある」として、安倍政権が導入を検討している解雇特区や復興特別法人税の前倒し廃止を例にあげ「雇用を不安定化させるばかりでは、企業収益が伸びても賃金は下降し、景気の好循環は生まれない。働く者を使い捨てにする企業を大量生産する解雇特区など断じて認められない」と批判、国民の所得増加に向けた道筋を明確に示すよう求めている。
まさに各種の世論調査が示すとおり、国民の生活不安、不満を代弁したものだ。
 これに対し安倍首相は「賃金の動向を調査し、効果を検証し結果を公表する」とは言うが、そうならなかった時はどうするのか。野党からすれば、安倍首相の進退も含め、是非とも具体的な言質をとりたいところである。

0 件のコメント:

コメントを投稿