2012年11月26日月曜日

衆院選の争点に急浮上した安倍自民「経済再生策」の吉凶

衆院選の争点に急浮上した安倍自民の政権公約

 安倍自民党は21日、政権公約をまとめた。大まかには政権を担うにふさわしい出来映えである。詳細は他に譲るが、注目しておきたいのは、国民有権者の多くが渇望する「経済再生」を前面に打ち出していることだ。
 何より民主党政権時代の「縮小均衡の分配政策」から「成長による富の創出」への転換を図るとして、「名目3%以上の経済成長」を目標ではなく、「達成する」と明記している点に政権復帰への意気込みが伝わってくる。
 具体的にはデフレ・円高からの脱却を最優先に「物価目標を2%」に設定し、場合によっては「日銀法を改正」してでも政府主導で「大胆な金融緩和」を実現。残る1%、つまり名目成長率から物価上昇率を差し引いた実質成長分を先にまとめた総額100兆円規模の「国土強靱化」策、つまりは公共事業を推進することで稼ぎ出す算段だ。
 乱暴な言い方をすれば、政府発行の建設国債を日銀に強制的に買い取らせて公共事業をやれば「経済再生」ができるということか。
「政権を取ったらまずは補正予算を大きく組む。(景気に)即効性のあるものを検討中だ」
政権公約を取りまとめた自民党の甘利明政調会長は21日のテレビ番組でこう述べていた。
ずいぶんと気前の良い話だが、その景気対策の原資を国債で賄うとなれば、手放しでは喜べない。
「公共事業をばらまき、日銀に全部ツケ回しするということだ。軍事独裁政権じゃあるまいし、公党の代表としてはもちろん、一国のリーダーとしてもふさわしくない」(中塚一宏金融担当相)
「財政規律が失われ、金利上昇や急激なインフレを招く怖れがあり、禁じ手だ」(城島光力財務相)
 政府内からこんな批判が出てくるのも当然だろう。
 だがしかし、だからこその選挙公約であり、選挙を通じて各党の論戦を期待したいところでもある。
 自民党は「ウソつき」呼ばわりされたくなければ今のうち、政権公約の一つ一つを丁寧に分かりやすく国民に説明しておくことだ。

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