2012年11月19日月曜日

野田民主党は「奇襲解散」でいったい国民に何を問うのか

 野田佳彦首相が14日、自民党の安倍晋三総裁との党首討論で「16日に解散してもいい。やります」と述べたのは、周知のとおりだ。
「次期通常国会で(衆院の)定数削減を必ずやると決断してもらえるなら」との条件付きとは言え、野田首相が具体的な解散日にまで踏み込んだのは想定外だった。
 とはいえ、早期解散は自民、公明両党だけでなく、多くの国民有権者が望むところであり、野田首相が示した定数削減のハードルも決して高くはない。
 自民党はさっそく、党首討論後の幹部会で「首相の提案に全面的に協力する」(安倍総裁)方針を決めている。
民主党が同日に国会提出した衆院選挙制度改革法案は一票の格差是正の「0増5減」と比例定数「40削減」を盛り込んでいる。野田首相はこのうち、自公両党が難色を示している定数削減について次期通常国会で実現するよう確約を求めている。つまりは、かねてより自公両党が主張してきた「0増5減」の優先処理を追認したにすぎないのだ。
それでいったい野田首相は何を掲げて国民に信を問うつもりなのか。一部報道では、「第3極の選挙態勢が整う前の解散で選挙を有利に戦いたい」との思惑を指摘するが、問うべき信がなければ、選挙戦術もへったくれもない。いわば、民主党候補者を素手で戦場に送り出すようなもの。何より、国民有権者を愚弄する前代未聞の解散劇となろう。
党首討論後、民主党の輿石東幹事長は、「16日に解散したいと首相が言ったのだから、撤回することはないだろう。首相が首相の専権事項で首相が判断したのだから、それでいいのではないか」と述べているが、党内はそうすんなりと収まりそうにない。
解散を阻止するため、鹿野道彦前農林水産相を指示するグループは同日、輿石幹事長に対して両院議員総会の開催を申し入れた。閣僚からも解散の署名を拒否する声も上がっている。
このまますんなりと16日解散に突き進むのかどうか。

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