2015年2月5日木曜日

「イスラム国」邦人2人の遺体引き渡し交渉を放棄した安倍首相の無責任


「国民の命、安全を守ることは政府の責任であり、最高責任者は私だ。結果として2人の日本人の命が奪われたことは誠に無念で痛恨の極みだ」

「イスラム国」の人質事件が最悪の結末を迎えたことについて安倍晋三首相は2日、参院予算委員会でこう述べた。

 もちろん、邦人救出に失敗した政府の責任は重い。

湯川遙菜さん(42)については昨年8月、後藤健二さん(47)についてはその2か月後の10月、政府は2人が行方不明になった直後から救出に向け対策本部を設置していたそうだが、遺体を「イスラム国」から取り戻すまでは政府の責任である。

ところがこの日の参院予算員会で安倍首相は「政府としてはテロ対策、海外の邦人保護に万全を期していく」とは述べたが、遺体の引き取りについての言及はなかった。

さらにこれに先立ち菅義偉官房長官は記者会見で「あのようなテロ集団相手の極めて危険な箇所でありますので、政府としてはご遺体についても最前の情報収集、最大限詰めてまいりたい」と述べるに止め、遺体の引き取りに消極的な姿勢を滲ませている。これでは政府の責任を放棄したに等しく遺族の悲しみは癒されない。

安倍首相はまた、前日に発表した声明文の中にある「罪を償わせるため国際社会と連携していく」との文言の意図について「犯人を追いつめて法の裁きにかけるとの強い決意を表明したものだ」と説明した。

 このため政府はすでに2人の居住地がある警視庁と千葉県警に合同捜査本部を設置、

菅義偉官房長官は記者会見で「(犯行グループに)罪を償わせるため国際社会と連携して、様々な手段について徹底して追及していきたい」

 と述べていた。しかしながら遺体の確認もできず、犯人の特定もできずにいったい誰が「イスラム国」の実行犯を裁けよう。百歩譲って裁くにしても一義的にはシリアやイラクの法が優先する。日本政府に出る幕はない。

 つまり「罪を償わせる」とは米英両国を中心とする有志連合の「イスラム国」に対する軍事的制裁を指してのこと。安倍首相は有志連合への参加について「日本が参加することはあり得ないし、後方支援するということも考えていない」ときっぱり否定したが、魂胆は透けて見える。まやかしの言葉で国民を愚ろうするのは罪の上塗りである。

 

7 件のコメント:

  1. 具体的に、どうすれば良かったのでしょうか?
    何もしていないあなたの方が、ずっと無責任に思えてなりません。
    日本人の恥だと思う。
    バカを垂れ流し続けるぐらいなら、記者を辞めてほしい。

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  2. 上に激しく同意
    具体的な解決策が皆無なこの状況でこのような馬鹿げた記事を書く人間がこの世にいるとは信じがたい。
    日本人の恥。
    早くシリアに行ってくれ。

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  3. 批判は誰でも出来る
    具体的にどうすれば遺体を引き取ることが出来るか教えて下さい。
    まずは発言者である、貴方が行って引き取り交渉をしましょう。
    結果を教えてくださいね。

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  6. 「・・・最前の情報収集、最大限詰めてまいりたい」
    これをどう取れば消極的な姿勢なのだろうか?
    確かにかの地では日本が直接どうこうできる国ではない
    日本が「直接」罪を償わせる事は不可能であろう
    しかし「(犯行グループに)罪を償わせるため国際社会と連携して、様々な手段について徹底して追及していきたい」イコール「軍事的制裁を指してのこと」とは飛躍的すぎる
    そも日本が使う「様々な手段」とは何の事かお分かりで無い様子
    この記事は安倍首相を叩きたいという魂胆が透けて見えるようだがどうだろう?

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  7. 正義はどこにあるんでしょう。
    安部さんがどうとか、著者の藤本さんがどうとか、そこは問題ではないです。
    政府の見解と言いますか、そこに行き着く(テロリストとは交渉しない)のもわかります。
    自己責任もしかり、国の対応もしかり。

    どちらが正しいかは、結局結果論かなと。

    自分には正解はわかりません。

    しかし、国が国なので、わかりかねない部分が沢山あるなかで遺体の返還に関しては正直どうしようもないところが正直な所ではありませんか?

    取り返せる100%の行動を藤本さんが総理大臣なら出来ますか?

    自民党が好きでもないです。

    今の日本には政治にも興味もありません。

    そんな自分でも政府の対応は今の出来る最低限だったのかなとは思います。

    これを機に日本国民のみならず、沢山の国の人々が平和に暮らせる日を。

    殺害された日本人の次になりえるかもしれない人に少なくても対応出来る国作りを願うばかりです。





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