2014年12月11日木曜日

安倍圧勝に暗雲漂うGDPの大幅下方修正


 自民圧勝の流れに暗雲がたち込めてきた。先週、為替相場がついに1ドル=121円台に突入、8日にはアベノミクスの評価に直結する7~9月期の国内総生産(GDP)の改定値が先月速報値のマイナス1・6%からマイナス1・9%へ下方修正され、景気の悪化を印象付けてしまったのだ。

急激な円安はもちろん、アベノミクスの副作用である。

「中小企業にはマイナスの影響が出ている。円安倒産が今年1月から11月にかけて去年の2・7倍に増えた。(円安で)物価は上がったが、賃金が追いついていない。過度の円安は国民生活を破たんする」(海江田万里・民主党代表)

「食料品などの生活物価が上がる。国民にとっては何もいいことがない。輸出企業と内需型企業の格差が広がった」(小沢一郎・生活の党代表)

 との野党の批判も合点がいく。

 これに対して安倍首相は「海外からの観光客は民主党政権時代から500万人も増えた」

と反論する。確かに銀座、秋葉原は中国人観光客に占領されてしまった感がある。それが嫌中タカ派の安倍首相が目指すアベノミクスの成果であれば、皮肉なものである。

 さらに安倍首相が消費税率引き上げ先送りを決断した7~9月期のGDPについてはどうか。

世耕弘成官房副長官は8日の記者会見で「景気の現状は穏やかな回復基調にあることは変わりはない。アベノミクスを今後続けていくべきかどうかを(総選挙で)国民の皆さんに信を問うている」

 と、なお強気の発言を繰り返しているが、名目GDPでもマイナス3・5%になる。

安倍首相はかねてより国民有権者に向けてアベノミクスの経済政策で年率3・5%以上の名目成長実現を約束していたはずだが、結果はまったく逆のマイナス成長である。しかも、実質賃金が16カ月連続で低下(毎月勤労統計調査)しているのだから、アベノミスクの金融緩和と円安のダブルパンチが国民生活を圧迫しているのは誰の眼にも明らか。4月の消費税率8%引き上げの反動との言い訳は通用しないのである。

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