2014年4月1日火曜日

危機の後追いでしかないNSCの存在感と安倍外交の空騒ぎ


 北朝鮮が26日、またもやミサイルを発射した。しかも、今回はオランダ・ハーグで日米韓三か国の首脳会談が行われている最中。会談では北朝鮮の核、ミサイルに対する連携強化を確認したが、これをあざ笑うかのような北朝鮮の蛮行である。

 これを受けて菅義偉官房長官は同日の記者会見で「事前通知を行わず、航空機や船舶の安全確保の観点から極めて遺憾だ。日朝平じょう宣言や国連安全保障理事会決議などに違反する」と述べた。併せて北京の大使館ルートを通じて北朝鮮に厳重抗議した。幸いにして現時点で被害は報告されていない。何よりである。

 ただ、そうとは言えミサイル発射の動きを事前に察知できなかった日本政府の危機管理能力が問われよう。

 安倍首相肝いりで発足したNSCや内閣情報室はいったい何をやっていたのか。

 西村泰彦内閣危機管理官からミサイル発射の報告を受けた安倍首相は米国や韓国などの関係諸国と連携して情報収集・分析に努め、国民に迅速・的確な情報を行うよう指示したそうだが、危機を後追いするだけでは国民の命は守れない。

 しかも、政府は30、31両日に北京で開催する日朝外務省局長級協議を予定通り行うという。

 その理由を菅官房長官は「拉致問題を扱う場であり、ミサイルや核という安全保障上の懸念を取り上げることができる。我が国の立場をしっかり主張する機会にしたい」と説明するが、核、ミサイルで強気に出れば拉致問題の解決が遠退く恐れもあり、北方領土と同様、いつもながらに堂々巡りの日朝交渉である。

 安倍首相は、中朝韓ロの四か国を相手に上手に立ち回っているつもりかもしれないが、あれもこれもと欲張り過ぎて躓き転び、一人空騒ぎしているようで忙しない。いずれ、安倍外交は行き詰まる。

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