2012年9月28日金曜日

自民党総裁選で成るか古賀・青木の安倍・麻生包囲網

 自民党総裁選はいよいよ大詰め、石破茂前政調会長と石原伸晃幹事長、安倍晋三元首相の3候補が三つ巴の激しい戦いを繰り広げつつ、26日の投開票へとなだれ込む。
今現在、各種報道では地方票300のうち40%、120票以上を石破氏が固めたとされているが議員票を合わせた一回目の投票で過半数を得る情勢にはなく、上位2候補が議員票200のみで争う決選投票に駒を進めることになる。
そこで頭の体操してみたい。決戦投票の組み合わせは、石破VS石原、石原VS安倍、安倍VS石破の3通りだ。
勝敗を決するのは決選投票に残れなかったいずれかの候補と町村信孝元官房長官、林芳正政調会長代理の各陣営が握る票の出方である。
そこでたとえば5人の候補を対中外交、尖閣問題への対応で色分けすると、安倍、石破両候補は離党防衛のために緊急展開できる海兵隊の創設を主張する。石原、町村、林の3氏もこれを否定しないが、まずは外交努力を優先するべきとの立場だ。
もう一つ、対野田政権との間合いについて、石破、町村、林の3候補が3党合意に基づく「社会保障制度改革国民会議」の早期設置や秋の臨時国会での公債特例法案処理に前向きな姿勢を示しているのに対し、安倍、石原両候補はあくまで早期解散総にこだわり対決姿勢を強調する。
さて、こうなると安保外交で主張が重なる安倍、石破両候補だが、野田政権との間合いでは安倍氏は石原氏と、石破氏は町村、林両氏と近い。
そうであれば例えば安保外交で似たもの同士の安倍VS石破の場合、野田政権との間合いからして石原氏は安倍に、町村、林両氏は石破氏の支援に回ることになるのだが、そうならないところが自民党政治の分かり難いところだ。
まずもって石原支援に回った古賀派会長の古賀誠元幹事長、山崎派会長の山崎拓元幹事長、額賀派オーナーの青木幹雄元官房長官の3人は、安倍氏の後ろ盾になっている麻生太郎元首相と犬猿の仲だ。そして何より石原氏自身が「平成の明智光秀」と口汚く罵られては、安倍氏の支援に回ることは有り得ない。石破氏や町村氏も同様に麻生元首相の口撃の被害者であり、古賀派に所属する林氏も含めて安倍―麻生包囲網が形勢されることになろう。
これが安倍VS石原になっても大差ない。石破陣営から一部、安倍氏に流れるだろうが、四方敵に回してしまった麻生氏の存在がネックとなり安倍票は言われているほどには伸びない。
あるいは当初の予想どおり、石原VS石破となった場合は町村、林両陣営が派閥実力者の支援を受ける石原氏の支援に回るのは既定路線だ。党内基盤の脆弱な石破氏が勝つとすればやはり、地方票で石原氏に圧倒的な差をつけるしかないのだが、いざ。
2012.24 築地にて

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