2012年9月20日木曜日

自民党総裁選の動向調査で産経新聞に安倍票水増し疑惑浮上

 週明け大手各紙が報じた自民党総裁選の動向調査が興味深い。とりわけ、産経新聞社は国会議員199人のうち安倍晋三元首相(57)は50人近くの支持を集め、石原伸晃幹事長は40人以上を確保、続く石破茂前政調会長(55)は30人以上、町村信孝元官房長官は約30人を固め、林芳正政調会長代理(51)は20人を超す支持を集めたとしている。
 事前の予想では党重鎮、派閥長老の支持を得た石原氏が議員票で有利とみられていたが、産経の調査どおりなら、地方票で優勢が伝えられている石破氏と安倍氏が石原氏を抑えて決勝に進出する可能性が出てきたわけだ。産経はこれを「安倍氏 議員トップ」の見出しを掲げ、喜々として伝えている。
 それはそれでけっこうな事だが、いったいどんな調査を行ったのか気になるところだ。何より産経の報道が正しければ、各候補の支持票を単純に足し合わせて170人以上、
つまり衆参両院の自民党所属議員のほとんどがすでに支持候補を決めていることになる。だとすれば、議員一人ひとりが産経の調査にだけバカ正直に答えたのか。そうでなけれ
ば、取材した記者なりの判断基準を示さなければ客観性が担保されない。あるいはどちら
でもないとすれば、安倍元首相にゲタを履かせたヤラセ記事か。
 これに対して読売、毎日の2紙はとりあえず地方票の動向に焦点を当てている。
 読売は自民党員と確認した1640人に回答を得た(電話調査)として石破37%、安倍21%、石原20%、町村6%、林2%の結果を報じている。
 毎日は全国世論調査の自民党支持層を対象にした調査で石破38%、安倍29%、石原19%、町村5%、林3%だった。石破氏の有利は動かないが、石原、安倍が決勝進出を争う展開である。こちらの調査はまだ信用できる。
本欄がイチ押しの町村氏はキャリア、識見、安定感で他候補の追随を許さないが、残念ながら支持は伸びていない。目先、「選挙の顔」にならないとの評価だろう。同じ理由で出馬断念に追い込まれた谷垣総裁が投じる一票に注目したい。
2012.9.17 築地にて

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