2012年4月20日金曜日

北朝鮮のミサイル発射で分かった野田政権の脆弱な危機管理体制


 国会は18日、衆参両院で外交、安全保障などをテーマに集中審議を行った。野田首相は北朝鮮のミサイル発射に関連し、「2006年、09年、ミサイル発射の後にほどなく核実験を行っている。その点を注意深く見ないといけない。さらなる発射や核実験を含む挑発を行わないことを(北朝鮮に)強く求めていきたい」と述べた。
是非もないが、問題なのはミサイル射直後の政府対応である。
 防衛省は13日午前7時40分、ミサイル発射を把握していたにもかかわらず、国民への情報公開が大幅に遅れてしまったのはどういうわけか。野党の追及は、田中直紀防衛相一人にとどまらず、発射情報を把握していながら危機対応を怠った首相官邸の藤村修官房長官にも向けられた。
 野田首相は「国民への情報伝達のプロセスには改善すべき点があった」と不手際を認めたものの、公表の遅れについては「何らかの飛翔体が発射されたが未確認という状況で、まだ国民にメッセージを発するは早いのではないかと(判断した)。ダブルチェックをしながら公表することが基本的な考え方だった」と釈明した。
 冗談じゃない。北朝鮮から飛翔体が発射されれば、ミサイルに決まっている。確認している間にミサイルは日本領海に到達してしまうのだ。
「情報提供の大きな遅れで、国民は野田佳彦政権の危機管理に不安を持っている。ミサイル発射も失敗だが、野田政権の危機管理も失敗だ」
前日の参院外交防衛委員会、自民党の佐藤正久議員の指摘である。
民主党政権の危機管理能力に重大な欠陥があることは、今さら指摘するまでもない。福島原発事故の対応で実証済みだ。
自民党は18日夕、田中直紀防衛相と前田武志国交相の問責決議案を参院に提出した。国会運営上、辞任は避けられないだろう。
しかしながら、大臣のクビを切るだけでは不十分だ。民主党政権が続く限り、国民は枕を高くしては眠れない。新たな政権の誕生を期待する。

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